ファイザー供給減に自治体大混乱 接種加速から急ブレーキ

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「国の方ができるだけ早くということで、せかせてやっているが、スピードアップしたら今度はファイザーがない」――。19日の全国知事会終了後、秋田県の佐竹敬久知事は怒りを隠さなかった。国が供給しているファイザー製ワクチンが突然、激減し、自治体から悲鳴が上がっている。

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 ◇  ◇  ◇

 ファイザー製ワクチンは、国から全国の市町村に直接配分されている。厚労省は今月4日、ファイザー製の供給量を大幅に減らすと、自治体宛てに通知を出した。国にあおられて接種を加速させてきた自治体は、突然の供給減に困惑だ。

 秋田県は「7月末までの高齢者接種完了は何とかなりそうですが、その先が不透明。これまでと同じペースで接種を予定していたのですが、市町村は不安がっています」(医務薬事課)と答えた。

 茨城県は7月5日の週と12日の週に市町村に供給するワクチンが前回より4割も減った。

「接種を加速させてきた市町村は戸惑っています。医療スタッフを確保した上で8月まで住民の予約を受け付けている市町村もあります」(県コロナワクチン担当チーム)

 供給減の理由を厚労省に聞いた。

「ファイザー社とは年間1.94億回分契約しています。契約に基づき、5~6月の2カ月で7200万回分(1カ月当たり3600万回分)の供給を受けましたが、7~9月は3カ月で7000万回分(同2300万回分)の予定です。その分、自治体へのファイザー製の供給が減りますが、契約通りに進めるしかありません。代わりにモデルナ製の供給もひとつの考え方だと思っています」(予防接種室)

 要するに、7月以降、供給量が減ることは、最初から分かっていたということだ。

モデルナ製併用はすぐには無理

 河野コロナ担当相は11日、自治体の集団接種にモデルナ製を充当する考えを示しているが、ファイザーが減った分、そう簡単に、モデルナとはいかないという。

「4割減った分をモデルナ製で補うわけにはいきません。2回目接種は、ファイザー製が1回目を接種してから3週間ですが、モデルナ製は4週間で扱いが違う。そもそも、2種類のワクチン併用は管理が大変で、すぐには難しい。当面はファイザー製の供給を受けるのが何よりも望ましい」(前出の担当チーム)

 佐竹知事も「同じ会場で2系統使うと大混乱になる」と話している。

 滋賀県長浜市は7月以降、国が示す供給量にとどまれば、接種人数を減らしたり、接種会場の閉鎖を余儀なくされるという。滋賀県の担当者が言う。

「国から早く接種を進めるように言われ、市町村は接種計画を立てて接種を進めてきた。今月4日の通知でファイザー製の供給量が減るのを初めて知り、市町村は困惑しています」(ワクチン接種推進室)

 契約で供給スケジュールが縛られているなら、もっと早く自治体に公表できたはず。菅首相はファイザー社と前倒し供給を交渉すべきではないか。

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