立岩陽一郎
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立岩陽一郎ジャーナリスト

ジャーナリスト。1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て、2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」出演中。

今度も「総選挙ファクトチェック」を実施する ぜひ投票の参考に

公開日: 更新日:

「(消費税の)2%の引き上げにより、5兆円強の税収となります」

 4年前の9月25日、衆議院を解散すると宣言した記者会見で当時の安倍総理はこう言った。これは解散の理由に直結する重要な発言だった。なぜなら、解散の理由は、消費税増税分を少子高齢化への対応に利用する判断を有権者に問うことだったからだ。

 それなら安保法制の時こそ信を問うべきで、この理由付けは森友・加計の疑惑の指摘から逃れるためだと多くの人が感じていただろう。しかし、この発言には実はもうひとつ問題があった。消費税を2%引き上げたら5兆円強の税収になるといえる根拠が不明確だったのだ。

 このため、ファクトチェックを行った。経済学者や財務省に取材。その結果、これは推計値ともいえない数字だったことがわかった。どういうことか。前の年の消費税の税収額を消費税の国税分の税率で割って1%当たりの税収額を出すと2.7兆円になる。それを単純に2倍にして5.4兆円。それだけのことだった。景気動向も何も加味されていない。去年と今年とで全く同じ状況を想定しており、推計値ともいえない数字だったわけだ。それを一国の総理が解散の理由で高らかにうたいあげ、それをメディアが何の疑問も持たずに報じた。そして自民党は選挙に勝ち、安倍総理の長期政権の礎が築かれる。つまり安倍・菅長期政権とは、そもそも誤った情報の拡散によって地盤を固めた政権だったということだ。

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