自公「10万円給付」に不満噴出!岸田首相のっけから大コケ、所得制限960万円にも“落とし穴”

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 公明党の目玉政策だった「18歳以下への一律10万円給付」は結局、年収960万円の所得制限が導入されることになった。給付対象外となった人からは「不公平」との不満が出るなど悪評ふんぷんだ。こんなことなら、野党が3月に国会に提出した新型コロナ対策の給付金法案を“丸のみ”しておけばよかったのではないか。

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 自公が合意した18歳以下への「10万円相当」給付。年収960万円未満の子育て世帯に、年内に現金5万円、来春に残る5万円がクーポンとして配布される予定だ。

 所得制限を巡り公明と調整していた茂木幹事長は「960万円以上はかなり高所得の世帯。それ以外の9割をカバーすることになり、大半の子どもに支給できる」と胸を張ったが、とにかく評判が悪い。対象範囲に“落とし穴”があるからだ。

 所得制限には、夫婦どちらかの年収の高い方を「世帯主」とする児童手当の仕組みが利用される見込み。夫婦どちらかの年収が960万円以上だと給付対象外となる一方、例えば、夫婦2人とも950万円を稼ぐ年収1900万円の世帯は、給付対象となる。妻が専業主婦で収入ゼロでも、夫が年収970万円なら対象外である。

■一律給付でいい、制限をかける意味が分からない

 案の定、ネット上は〈一律給付でいい〉〈制限をかける意味が分からない〉―ーと大荒れだ。岸田首相は別途、コロナ禍で困窮する住民税非課税世帯や困窮学生への10万円給付も打ち出しているが、「困窮する学生」に誰がどんな条件で該当するのかは不明。これから基準を考える手間と時間をかけるくらいなら、「一律給付でいい」という意見が出るのも、もっともだ。

 そもそも生活困窮者向けとして1人当たり10万円を給付する法案は通常国会中の3月、立憲民主党と共産党、社民党が共同で提出していた。ところが、与党は審議にも応じなかった。中身が複雑で中途ハンパな自公案より、野党案の方がよほどシンプルで公平だったのではないか。

野党提案を8カ月放置

 立憲は11日、自公案では支援が不十分として、改めて修正案を衆院に提出。親2人、大学生2人の住民税非課税世帯では、自公案が計10万円給付にとどまるのに対し、立憲案では計40万円に上る。提出者のひとりである立憲の山井和則議員がこう言う。

「岸田首相は10日の会見で『スピード感を政策実行に発揮』と発言しましたが、それなら、なぜ野党が法案を出してから8カ月も放置したのか。経済支援は歓迎ですが、もっと早く実行に移していれば、この8カ月間に倒産した会社や、大学を退学せざるを得なくなった学生、生活に行き詰まり自殺してしまった方など、救える命や生活があったはずです。われわれ野党は3月から、コロナ特別給付金をはじめ、持続化給付金の再給付などの法案を出してきましたが、審議すらされませんでした。また、臨時国会召集にも応じてもらえなかった。今になって野党法案の後追いをするなら、一刻も早くやって欲しかったです」

 穴だらけの自公案に国民の不満は募るばかりじゃないか。 

各種世論調査「18歳以下へに10万円」ノー続々

 不評は数字にもはっきり出た。日本経済新聞社とテレビ東京が第2次岸田内閣の発足を受けて10、11両日に実施した緊急世論調査で、消費喚起策として打ち出した18歳以下への10万円相当給付について「適切ではない」が67%で、「適切だ」の28%を大きく上回った。

 共同通信社が同じ時期に実施した全国緊急電話世論調査でも、新型コロナ禍の経済対策として18歳以下へ10万円相当を給付する政府方針について「適切だ」は19.3%にとどまった。「一律給付すべきだ」は24.0%、「年収960万円の所得制限の引き下げ」が34.7%、「給付すべきでない」は19.8%だった。

 日経の調査で、優先的に処理してほしい政策の1位は「景気回復」の41%、2位は「年金・医療・介護」の39%。「新型コロナウイルス対策」は36%の3位で、選択肢に加えた2020年9月以降で初めてトップにならなかった。

 共同の調査で、観光支援事業「GoToトラベル」再開については賛成が51.1%、反対が45.1%と割れた。

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