山本一力
著者のコラム一覧
山本一力作家

1948年、高知県生まれ。東京都立世田谷工業高校電子科卒業後、広告制作会社勤務等を経て97年「蒼龍」でオール読物新人賞を受賞。2002年「あかね空」で直木賞を受賞。「損料屋喜八郎始末控え」や「ジョン・マン」などシリーズ作品の他「欅しぐれ」「紅けむり」「千両かんばん」など著書多数。

【お題】離婚のキズは癒えたが女性への熱量が低下した。枯れたのか?

公開日: 更新日:

立引の強さを問うてみよ

「女にモテるためなら何でもする」

 酒場に繰り出すと、少し離れた席の男性が部下らしき人に力強く語っていた。詳しい中身は聞こえなかったが、その言葉が何となく耳に残る。

 私は10年前に離婚。そのキズが癒えたころ、再婚を考えたこともあったが、良縁に恵まれず、次第に女性への熱量が冷めていった。

 その男性は、恐らく私と同じ50代半ば。正直、あの熱量が信じられない。ただ、今後も一人かもしれないことを考えると、不安もある。かといって、もがくことはためらう。これが枯れることだとすれば、流れに身を任せるべきなのか。

  ◇  ◇  ◇

 はや15年の昔だが。

 当時、選考員を務めていた月刊小説誌の新人賞最終選考の場で。

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