最強の混合変異株「デルタクロン」拡大リスク デルタ+オミクロン同時感染が引き金に?
また新たな変異株の登場だ。地中海の島国キプロスで、新型コロナウイルスの「デルタ株」と「オミクロン株」による混合変異株が発見されたと、米ブルームバーグ通信などが報じている。
この変異株は、キプロス大学生命工学・分子ウイルス学研究所のチームが発見し、「デルタクロン」と名づけられた。同大生命工学科のレオンディオス・コストリキス教授は、「デルタ株とオミクロン株が組み合わせられた『デルタクロン』事例を25件、発見した」と明かしている。
今回の変異株の発見を巡っては、英国の研究者から「研究室内で実施されたゲノム解析過程で発生したテクニカルアーチファクト(技術的原因による不自然な結果)ではないか」といった指摘があったが、同教授は、入院しなかった患者より入院患者の方がデルタクロンの感染率が高かったとし、「新変異株は存在する」と主張した。
韓国・高麗大学九老病院感染内科の金宇柱教授は、デルタクロン株について「デルタからオミクロン株に優勢株が変わる過渡期で2つの変異の同時感染者が発生し、2つの変異ウイルスが再調合されたとみられる」と、韓国紙「中央日報」で語っている。世界中で多くの重症者・死者を出した強毒のデルタ株と、弱毒ながら感染力が従来株の約3倍というオミクロン株が結合するとは恐ろしい話ではないか。今後、新たな変異株として世界中で拡大する恐れはあるのか。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)はこう言う。