上昌広
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上昌広医療ガバナンス研究所 理事長

1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。虎の門病院や国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年から16年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。16年から現職。

政府のコロナ対策強化には賛同できない 高齢者の進んだ日本では“もろ刃の剣”

公開日: 更新日:

 オミクロン株の感染が拡大している。政府は、1月6日の沖縄、広島、山口県を皮切りに、19日には13都県にまん延防止等重点措置を拡大することを決定した。

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 私は、このような強硬な措置に賛同できない。それは、高齢化が進んだ日本では、コロナ対策の強化はもろ刃の剣になるからだ。

 医療ガバナンス研究所の山下えりか研究員の調査によれば、2017~19年と比較し、20、21年とも5月、8月の死亡者数は1.3倍、1.4倍に増えていた。21年1月には過去3年間と比べて死者が2万4748人増えていたが、コロナ死亡が認定されたのは2261人に過ぎない。死亡率の増加は、コロナだけでは説明できない。多数の「コロナ関連死」が生じていたのだろう。

 この状況は東日本大震災後の福島と同じだ。原発事故による被曝で亡くなった人はいないが、多くの高齢者が避難や仮設住宅での生活などのストレスで、持病を悪化させて死亡した。

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