知床・沈没事故は他でも起き得る…検査態勢ユルユルなのに“激怒”した斉藤国交相の赤っ恥

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 北海道知床半島沖で観光船「KAZUⅠ」が沈没した事故から約2週間が経過。あまり知られていないが、実は「KAZU 1」は、波の穏やかな瀬戸内海で使う旅客船として約40年前に建造されたものだった。朝日新聞デジタル(4月28日付)によると、「KAZUⅠ」は1985年に山口市の造船所で造られ、広島県三原市と沖合の生口島を結ぶ片道30分ほどの定期航路で使われていた。SNSでは「ボロ船だったのか」といった声が上がっている。

「事故当初から『KAZUⅠは他の場所で観光船として使われていたものだ』とささやかれていましたが、本当だったとは驚きです。今後、他にも似たようなケースが出てくる恐れがある」と言うのは、船舶業界に詳しい関係者だ。

「静かな内海仕様だった『KAZUⅠ』を、波の荒い知床沖で使っていたというのは、ちょっと信じられません。外海仕様に改造したとしても、常識的ではないでしょう。実は、規模の大小にかかわらず、中古の船舶は国内で頻繁に売買されています。キチンとメンテナンスができていれば、古い船でもおおむね問題はない。しかし、『KAZUⅠ』同様、想定外の海域で使われているケースがあれば、問題が続出する可能性もあるでしょう」

 確かに、ネット上には中古船舶を売買する専用サイトがある。「KAZUⅠ」と同規模の20トン弱で、建造から数十年の船舶がチラホラ見受けられる。今後、「KAZUⅠ」と同じような事故が発生したら大問題だが、チェックすべき国交省が頼りない。

国交省の確認不足が発覚する前に…

 国交省の検査代行機関「日本小型船舶検査機構」は、先月23日の事故の3日前、「KAZUⅠ」に年1回の中間検査を実施。その際、知床遊覧船側から、陸上との通信手段を衛星電話から携帯電話に変更すると申請を受けた。機構が「KAZUⅠ」の航路で携帯がつながるかどうか尋ねると、知床遊覧船側は「つながる」と回答。しかし、実際は電波が届かないエリアだった。業者の申請をうのみにしないで、キチンと確認していれば通信が途絶えることはなかった可能性がある。

 赤っ恥なのは斉藤鉄夫国交大臣だ。国交省の確認不足が発覚する前に、感情に任せて知床遊覧船側をディスりまくったのだ。

「知床遊覧船の社長が先月27日に会見した翌日、斉藤大臣は、『私が第一に感じたのは当事者意識、責任感の欠如だ』『誠意を持った説明をするように求めていく』と鼻息が荒かった。ところが、その後、通信手段変更を巡る機構の確認不足が発覚。国交省にも不備があったことが分かり、振り上げたこぶしの、下ろしどころを見失ってしまいました」(永田町関係者)

 斉藤大臣も“当事者意識”が欠如しているようだ。

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