自民が変節「児童手当の所得制限撤廃」は統一地方選の“争点潰し”…最終目標は消費税増税
岸田政権が少子化対策の目玉に掲げる児童手当の拡充をめぐり、自民党の“変節ぶり”が話題だ。茂木幹事長は25日の衆院本会議に続き、29日のNHK日曜討論でも「所得制限をなくす方向でまとめていきたい」などと発言。狙いは4月の統一地方選をにらんだ“争点潰し”だ。
児童手当をめぐっては、民主党政権時代に自民党が所得制限の導入をゴリ押ししている。
それが今になって突然の「制限撤廃」。29日の日曜討論で茂木幹事長は、所得制限を求めた過去の主張について「反省します」と言ったが、肝心の財源問題については、統一地方選後に先送りするつもりだ。
現在、財源として浮上しているのが、年金、医療、介護などの社会保険から拠出金を集めて「子育て基金」に回す案だ。
■高齢者の支持離れにつながる可能性
「消費税増税は国民の反発を考えると容易ではないし、すでに防衛費倍増の財源に挙がっている法人税の増税は賃上げを抑制してしまう。そこで、社会保険料の財源の一部を回す案が現実的とみられています。ただ、これも結局は個人と法人の負担増です。子どもを持たない人や高齢者も負担を強いられるので、保険なのに受益者負担の原則にそぐわない。強引に進めれば、高齢者の支持離れにつながりかねません」(大手シンクタンク研究員)