「空き家」全国で急増中のナゼ…世田谷区では最多の5万戸超の異常事態
空き家が増加を続け、全国の自治体で空き家対策が急務になっている。
総務省が発表している全国の空き家の数は848万9000戸(2018年住宅・土地統計調査)で、前回調査(13年)から29万3000万戸増加している。
空き家問題は地域住民の生活環境に深刻な影響を与えるが、東京都世田谷区は全国で最も多い5万戸を超える空き家を抱える。世田谷区といえば閑静な高級住宅街のイメージが浮かぶが、実際、東京商工リサーチが行った「社長の住む街」調査では市区郡ベースで全国で最も多い5万943人の社長が住んでいた。全国トップの5万人を超える社長が住む街に、全国最多の5万戸を超える空き家がある。思わずなぜ、と聞きたくなる。
15年に政府は空き家が増え続けることに「空き家対策特別措置法」を施行。倒壊の危険や衛生上の問題があり周囲に悪影響を及ぼす空き家を「特定空き家」に指定し、自治体は放置したままの所有者に助言、指導、さらに取り壊しの行政代執行を行うことが可能になった。
世田谷区には現在、空き家の周辺住民から年間100件以上の問い合わせがあるという。