少子化対策の“デタラメ指標” 加藤鮎子こども政策相「これからも活用」原稿ボー読みの愚

公開日: 更新日:

 岸田首相の「やってる感」の演出じゃないか。肝いりの少子化対策に怪しい試算が使われている。

 問題視されているのは、「子ども1人当たり家族関係支出」。岸田首相は「こども未来戦略」に盛り込んだ少子化対策の加速化プランを引き合いに、「我が国の『子ども1人当たりの家族関係支出』は16%程度になると見込まれ、OECD(経済協力開発機構)トップのスウェーデンの水準に達する」と強調してきた。

 手厚い支援を裏付けているように見えるが、使われている指標は実はデタラメ。分母となる18歳以下の人口が減って少子化が進めば進むほど、支出割合が上がっていくのだ。

 この問題を先月26日の衆院予算委員会で指摘した立憲民主党の岡本章子議員が、13日の地域・こども・デジタル特別委員会でも改めて追及。加藤こども政策相に「こども家庭庁が独自につくった指標であり、国際比較として意味をなさない」と迫った。

 加藤大臣は今までのポンコツ答弁を反省してか、しっかりと原稿をボー読み。独自の指標を使う理由について「子ども一人ひとりに対して予算をあてることが重要であることから用いている」と説明した。岡本議員から「使うべきではない」と指摘されても、「(指標の)趣旨を丁寧に説明しながら、これからも活用していきたい」の一点張りだった。

 数字をいじって見せかけだけ取り繕っても、子どもは増えまい。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  2. 2

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  3. 3

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 4

    東京・荒川河川敷で天然ウナギがまさかの“爆釣”! 気になるそのお味は…?

  5. 5

    参政党さや候補のホストクラブ投票キャンペーンは、法律的に公選法違反になるのか

  1. 6

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  2. 7

    「イネカネムシ」大量発生のナゼ…絶滅寸前から一転、今年も増加傾向でコメの安定生産に黄信号

  3. 8

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 9

    コメどころに異変! 記録的猛暑&少雨で「令和の大凶作」シグナルが相次ぎ点灯

  5. 10

    「関東大震災」「阪神大震災」「東日本大震災」発生時のジンクスにネットがザワめく複雑理由

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」