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内田正治タクシードライバー

1951年埼玉県生まれ。大学卒業後、家業の日用品、雑貨の卸会社の専務に。しかし、50歳のときに会社は倒産。妻とも離婚。両親を養うためにタクシードライバーに。1日300キロ走行の日々がはじまった。「タクシードライバーぐるぐる日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

(32)77歳の“若手ドライバー”に会った!「免許返納」をしたくてもできない人もいるのだ

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 たしかに高齢者ドライバーの過失による悲惨な事故が起きていることは事実だ。被害者やその家族は本当に気の毒だと思う。しかし、高齢者だからといって運転をしてはいけないと言えるのだろうか。「高齢者ドライバーは事故の確率が高い」という統計的な証拠はあるのだろうか。ただただ雰囲気だけで「高齢者ドライバーは危ない」とされている気がしてならないのだ。

 もちろん年を取れば、視力、とっさの判断力、素早い動作などの面でさまざまな衰えが生じることは間違いない。だが高齢者であっても、これまで培ってきた技術を維持し安全重視の運転を心がければ事故は防げるのだ。彼らは社会にとって欠くべからざる“鵜匠”とも言えるのだ。

 もし、高齢者が運転できなくなってしまえば、交通手段に恵まれた大都市とは違い、へき地や過疎の町に住む高齢者は生きていけなくなってしまう。救急車が到着するのに2時間、3時間の場所に住む高齢者はどうなるのか。「免許返納」がときに美談として語られることがあるが、返納したくてもできない高齢者がいることも間違いないのだ。

 私自身、一介の“高齢鵜匠”に過ぎないが、「高齢ドライバー=悪」という社会のムードに対して、そんな思いを抱く今日この頃である。

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