鬼怒川温泉の渓谷に張り付く巨大廃墟群を探る…残された「バブル遺構」が物語るかつての栄華

公開日: 更新日:

「夜は酔っぱらいが下駄を鳴らして歩く音が響いていた」

 温泉街北部で長年飲食店を経営している店主も、在りし日をこう偲ぶ。

「ここも昔はもっと凄かったんですよ。団体客を乗せたバスが何台も押し寄せ、街はずれまでお店がずらっと並び、夜は酔っぱらいが下駄を鳴らして歩く音がどこにいても聞こえた。観光客数が年間340万人を数えたこともありました。それが、徐々に人が来なくなり、いつの間にか街の高齢化も進んでしまった。昔みたいな鬼怒川温泉をまた見たい。自分もやる気だけはあるけど、もう年寄りで先が見えている……。時代の移り変わりというのは、いつでも大変なものです」

 鬼怒川温泉は今もなお年間150万人近い観光客が訪れているが、その影にはさらなる栄華を極めた昭和の名残が見え隠れするのだった。

(取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  3. 3

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  4. 4

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 5

    【独自】江角マキコが名門校との"ドロ沼訴訟"に勝訴していた!「『江角は悪』の印象操作を感じた」と本人激白

  1. 6

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  2. 7

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 8

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 9

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  5. 10

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール