鬼怒川温泉の渓谷に張り付く巨大廃墟群を探る…残された「バブル遺構」が物語るかつての栄華

公開日: 更新日:

「夜は酔っぱらいが下駄を鳴らして歩く音が響いていた」

 温泉街北部で長年飲食店を経営している店主も、在りし日をこう偲ぶ。

「ここも昔はもっと凄かったんですよ。団体客を乗せたバスが何台も押し寄せ、街はずれまでお店がずらっと並び、夜は酔っぱらいが下駄を鳴らして歩く音がどこにいても聞こえた。観光客数が年間340万人を数えたこともありました。それが、徐々に人が来なくなり、いつの間にか街の高齢化も進んでしまった。昔みたいな鬼怒川温泉をまた見たい。自分もやる気だけはあるけど、もう年寄りで先が見えている……。時代の移り変わりというのは、いつでも大変なものです」

 鬼怒川温泉は今もなお年間150万人近い観光客が訪れているが、その影にはさらなる栄華を極めた昭和の名残が見え隠れするのだった。

(取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも