鬼怒川温泉の渓谷に張り付く巨大廃墟群を探る…残された「バブル遺構」が物語るかつての栄華

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「夜は酔っぱらいが下駄を鳴らして歩く音が響いていた」

 温泉街北部で長年飲食店を経営している店主も、在りし日をこう偲ぶ。

「ここも昔はもっと凄かったんですよ。団体客を乗せたバスが何台も押し寄せ、街はずれまでお店がずらっと並び、夜は酔っぱらいが下駄を鳴らして歩く音がどこにいても聞こえた。観光客数が年間340万人を数えたこともありました。それが、徐々に人が来なくなり、いつの間にか街の高齢化も進んでしまった。昔みたいな鬼怒川温泉をまた見たい。自分もやる気だけはあるけど、もう年寄りで先が見えている……。時代の移り変わりというのは、いつでも大変なものです」

 鬼怒川温泉は今もなお年間150万人近い観光客が訪れているが、その影にはさらなる栄華を極めた昭和の名残が見え隠れするのだった。

(取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ

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