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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

難関校を目指す受験準備は5年生からでも十分…では模試はいつ頃から受けるのがベスト?

公開日: 更新日:

「難関校を目指す子どもを抱える家庭はサピックスに入らなければ合格できないという強迫観念に駆られてしまう」と話すのは個別指導塾経営者。半世紀近く受験業界に関わってきた人物だ。

 中学受験の世界でナンバーワン塾の名をほしいままにするサピックス。特に難関校で圧倒的な実績を残している。今年は最難関の筑波大付属駒場の全合格者131人のうち103人がサピックスの生徒だった。その占有率は78.6%にも及ぶ。

 ただ、これらの数字がどこまで信用できるのかという問題もある。サピックス以外の4大学習塾の25年筑駒合格者は早稲田アカデミー55人、四谷大塚28人、日能研11人。各塾が自ら発表している数字だが、4大塾だけで実数をはるかにオーバーする197人が筑駒に合格したことになる。他の有名塾も加えれば、その数はもっと増える。開成や桜蔭をはじめとする大半の難関校も同様だ。

■かつては水増しも横行

 難関校の合格者数は塾にとって最大の宣伝になる。かつては水増しも横行。実態とあまりにかけ離れていたため、公益社団法人の全国学習塾協会は合格者数のガイドラインを作成。「受験直前の半年のうち継続して3カ月以上在籍」していない生徒は合格者に加えてはならないという基準を設けた。守らなければ、消費者庁から改善命令が出されることになっているが、サピックスの元スタッフによると「水増しで命令が出たケースは耳にしたことがない」という。

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