青砥「もつ焼き 小江戸」は夕方5時前からカップル、地元の先輩、ママ友たちで大賑わい
新鮮な肉は、新鮮なにおいがする
そういえば、雑色の今はなきもつ焼きの名店三平もこんな雰囲気だったっけ。それはともかく、出てきたテッポーを見てわかった。こりゃ、人気になるはずだ。テッポーは豚の直腸。きれいに掃除して軟らかくなるまで下茹でする手間が並大抵ではない。だから普通の店ではあまり扱わない。あっても湯がいた程度のテッポーはゴムみたいに硬い。そして時間のたったモツはにおうため、濃いタレでごまかすことになる。だからこそ、軟らかく下茹でした新鮮な小江戸のテッポーは塩焼きがいいのですよ。アタシの好みだけどね。その塩焼きを噛みしめてごらんなさい。絶妙の歯応えと、にじみ出る脂と塩が混ざり合ったモツのうまみが口中にあふれる。サイコ~。
この店のモツは新鮮な豚モツのにおいである。このにおいがなければモツの意味がない。よく食リポなんかで「臭みがありません」とか言うでしょ? あれ、ウソ。肉はにおいがあるからうまいのですよ。
新鮮な肉は、新鮮なにおいがする。でも、腐りかけも好きだけどね、アタシは。腐敗する一歩手前、熟成のギリギリ。これは女性にも言えるね、ってコラ! そんなアホなことを考えながらカシラ、アブラ、さらにナンコツを堪能し、下町ハイボールになだれ込む。エキス入りの黄色いやつ。これがまた危ない。スイスイ、イケちゃう。今回は青砥でチンボツか……。(藤井優)
○もつ焼き 小江戸
葛飾区青戸3-39-3 優和ビル2階