子どもを思うほど胸が痛い…ひとり親家庭が抱える“見えない苦労”。差別や偏見とどう向き合う?

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コクハク

 2024年に離婚した夫婦の数はなんと18万組にのぼるのだそう。なかには「ひとり親家庭」となる人もいるでしょう。子どもと幸せに暮らす一方、どうしても苦労してしまう側面も。

 そこで、ひとり親家庭で不安を抱えた経験談を、親の視点から紹介します。

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精神的な苦労

1. 子どもに寂しい思いをさせてしまう

「両親のサポートはありますが、やはり両親そろっている家庭と比べると、子どもを一人にしてしまう時間が長いので、『寂しい思いをさせているな』という罪悪感は常にあります。

 もちろん、私自身も寂しいです。ひとり親家庭だからこそ、本来であればパートナーと分担できる仕事もすべて私がこなさなくてはいけないので、子どもとの時間が取りにくい。

 この先もずっとこうだと思うと、将来的に子どもとの関係が希薄になるのではないかと不安です」(41歳・公務員)

2. 悩みを相談できず抱え込んでしまう
「離婚したことに後悔はありませんが、色々な局面で『旦那がいれば相談できたのに!』って悲鳴を上げたくなることはあります。

 子どもの学校のこと、塾や習い事のこと、家計のことなど…。専門機関の窓口も利用しますし、ママ友に愚痴を聞いてもらうことはありますが、肩を並べる相手がいないなという心もとない感覚が、たまにすごくツライですね」(37歳・看護師)

金銭的な苦労

1. 行政の手当に頼っている状態

「ひとり親家庭になってから、とにかく収入が減ったことが一番苦しいです。児童扶養手当や児童育成手当など、行政からのサポートでどうにか生活をまかなっているような状態です。

 もっと収入の多い仕事に就きたいのですが、ひとりで子育てをするため制限が多く、転職活動もうまくいきません。今の仕事も、子ども関係で早退や欠席をするたび嫌味を言われ、いつクビになるかと怯えています」(29歳・接客)

2. 子どもの学費への不安
「離婚した元夫から養育費は振り込まれているため、生活費に苦しむというほどではないものの、子どもの学費にかかるお金は年々増えて苦労の種です。

 進学塾、夏期講習、学校の部活など、この分野はほぼ青天井。そのため十分な貯金はできていない状況です。学資保険も利用していますが、将来子どもにお金を理由に何かを諦めさせたくないので、悩みは尽きません」(40歳・獣医師)

周囲との関係における苦労

1. 賃貸が借りにくい

「20代のころに離婚して母子家庭になったのですが、賃貸の審査に通りにくくて困ったことがありました。支払い能力が証明しにくかったんです。

 当時は遠方暮らしで疎遠だった両親に頼み、保証人になってもらうことでどうにか入居。小さい子どもを抱えて住むところに困るというのは、メンタルもかなり追い込まれました」(34歳・販売)

2. 差別や偏見を受けやすい
「ひとり親家庭=問題がある家庭というイメージが強いのか、たまに差別や偏見を感じます。

 子どもの三者面談で『おひとりなので目が足りないせいかと思うのですが~』『おひとりの家庭だとよくあるのですが~』など、何かにつけ原因がひとり親にされがちだったり。

 子どももこの嫌な感覚を味わっているのかと思うと本当に苦しいです」(34歳・事務)

3. 行事に参加しにくい
「ひとり親家庭は学校や地域の行事に参加しにくいですね。

 ひとり親家庭のコミュニティに所属し、定期的に情報交換をしているのですが、母子家庭のお母さん方が『力仕事が多い行事に参加しにくい』と言っているのをよく聞きます。

 うちは父子家庭ですが、PTA行事などはまだまだ母親が参加する家庭が多いため、居心地が悪く感じることはあります」(48歳・人事

周囲を頼って

 様々な理由から、苦しい境遇に立たされがちなひとり親家庭。親も子どもも周囲の人のサポートが大事になるようです。

 ひとりで抱え込みすぎず、苦しい時は周囲を頼ってみてください。

(ライターKK)

(コクハク編集部)

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