“金のなる木”クライマックスシリーズを徹底解説 主催球団が1試合で得る利益はどれくらい?
【Q】セ・パともに11日から始まるクライマックスシリーズ(CS)。ファーストステージは2位球団、ファイナルステージはリーグ優勝球団が主催し、収益はすべて主催球団に入る。球界では「金のなる木」といわれているが、実際の収入はどれくらいなのか。
【A】 CSは球団経営にとって、まさに「短期決戦の収穫祭」です。ファイナルを主催する阪神とソフトバンクはいずれも人気球団で、わたしの試算では、1試合の売り上げは4億円前後になりそうです。
内訳は、チケット収入が2.5億~3億円、飲食・物販・駐車場、スポンサー、放映権も通常の倍増。支出は1億円程度で純利益は3億円。フルで6試合行えば18億円前後の純増ということになります。
レギュラーシーズンの売り上げは、これもわたしの試算ですが、1試合平均1億5000万円、純利益は1億円程度。つまりCSは、通常の3倍効率の「金のなる木」なのです。
ビジター球団は赤字です。収入はグッズのライセンス料程度で、主催球団が60人分の遠征費・宿泊費を負担しても、3位球団がファイナルまで勝ち上がると最大2000万円程度の赤字を抱えます。ファンは盛り上がるが、フロントには痛みが伴う──これが「3位球団の宿命」です。