「喉に魚の骨が刺さった」ご飯を飲み込んだら咽後膿瘍に…正しい対処と受診のタイミング
40代の会社員Bさんは、夕食中に魚を食べていた際、喉に違和感を覚えました。小骨が引っかかっただけだろうと考え、ご飯を丸呑みして押し流そうとしましたが、違和感は消えません。そのままにしていましたが、数日後には喉の腫れと38度の発熱があったため、病院を受診しました。その結果、「咽後膿瘍(いんごのうよう)」と診断されました。これは喉の奥に膿がたまる感染症で、症状によっては手術が必要となります。また、適切な治療が遅れると命に関わることもあります。Bさんは運良く抗生剤の点滴と数日の入院で治癒しましたが、その間仕事を休むことになりました。
喉に魚の骨が刺さった場合、「ご飯やパンを飲み込んで押し流す」という方法は、医学的には推奨されていません。この行為によって骨がさらに深部に押し込まれ、粘膜を傷つけ、感染症や膿瘍形成のリスクを高める恐れがあります。骨が粘膜下に入り込んだ場合には、炎症が広がり、縦隔炎や敗血症といった重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。
■喉に違和感を覚えたらまず唾液を何度か飲み込む