義母vs実母の“初孫”バトル勃発! マウント合戦に巻き込まれた新妻の叫び「私たちは代理戦争の駒じゃない」

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コクハク

実母vs姑の“マウント合戦”勃発

 幸せなはずの新婚生活に影を落とす、姑との問題。令和の時代でも根強く残る嫁姑トラブルに直面したケースをご紹介します。

「結婚式より今のほうが、よっぽど両家の戦いだよ」

 そうため息まじりに笑ったのは、私の友人・ミホ(31歳・営業職)だった。彼女は昨年出産したばかりで、可愛い女の子のママ。

 穏やかな性格で争いごとを嫌うタイプなのに、最近は顔色が曇っていた。

「何かあったの?」と聞くと、スマホをいじりながら苦笑い。

「実母と姑の“マウント合戦”が止まらないの」

【読まれています】義母「うちの子そっくり」にザラつく…。“孫フィーバー”の裏、無視され続けた嫁の叫び。私は透明人間じゃない!

バトルが止まらない!

 発端は出産直後。姑は毎日のように病室へ通い、「うちの家系は安産なんだから」「うちの血は強いからね」と自慢げ。ミホは初孫を喜ぶ気持ちはありがたいと我慢していた。

 ところが退院の日、実母が迎えに来た瞬間から空気が変わった。

 姑が「まあまあ、若いのに頑張ったわね」と言えば、実母は「うちの娘は昔から我慢強いのよ」と返す。最初は軽い牽制だったが、それが火種になった。

 自宅に戻ってからも、“差し入れバトル”が勃発。

 実母が「栄養つけてね」とブランド牛を持ってくれば、翌日には姑が「うちはもっといい肉を用意した」と高級ステーキを持ってくる。

 実母が「冷凍で長持ちするから」と手作りおかずを差し入れれば、姑は「うちは毎日作りたて」と当日調理して届けに来る。

「ありがたいけど、冷蔵庫が戦場みたいなの」

 ミホは笑おうとしたが、目の下には疲れがにじんでいた。

夫はわかってくれない

 決定的だったのは“お宮参り”の日。どちらの実家で食事会をするかで揉めに揉めた。姑は「初孫なんだから、うちでやるのが当然」と主張し、実母は「産後の娘が楽なようにうちで」と譲らない。

 夫が間に入り「外でやろう」と提案し、ようやく決着したものの、当日はお互い一歩も引かず、視線のぶつかり合いが続いた。

「孫が笑えば“うちの家系は愛想がいい”、泣けば“それはあなたの家の遺伝ね”って言い合うんだよ」

 ミホにとっては冗談ではなかった。授乳や夜泣きで睡眠不足の中、実家からの電話と義母からのLINEが交互に鳴り、「どちらの機嫌を取るか」で神経をすり減らしていた。

 夫に相談しても、「母さんもお義母さんも悪気ないよ、孫が可愛いだけじゃない?」とお気楽な反応。

「その“可愛いだけ”が一番厄介なんだってば」とミホは怒りとも諦めともつかない声で言った。

代理戦争の駒じゃない!

 ある日、ついに爆発した。実母と姑が同じタイミングで家を訪れ、リビングで鉢合わせ。

 実母が「あなたのとこ、授乳クッション古くない?」と言えば、姑は「最近のママは道具に頼りすぎ」と反論。ミホは真ん中でオロオロしながら、頭が真っ白になったという。

「そのとき思ったの。“私、いつから親の代理戦争の駒になったんだろう”って」

 その夜、ミホは夫に泣きながら訴えた。

「もう限界。どっちの母親の顔色も見ながら育児するなんて無理」

 夫はようやく事態の深刻さに気づき、両家に連絡。

「これからはサポートしてもらうときは事前に相談する。うちの家族のペースを尊重してほしい」と伝えた。

ようやく穏やかな日々が…

 それ以来、両家の訪問や差し入れは一度ストップ。

 一時は気まずくなったものの、少しずつバランスが戻り、ミホもようやく笑顔を取り戻した。

「今はね、どっちの母親にも“ありがとう”だけ伝えて、深入りしないようにしてる。孫のためにも、母親が笑ってるのが一番だから」

 彼女の言葉に、私は心から頷いた。

家族の形とは

“嫁姑問題”と聞くと片方の親だけが悪者にされがちだが、実際には“両家の競争心”が火種になることも多い。特に初孫が絡むと、「娘を思う気持ち」と「息子を誇りたい気持ち」がぶつかり合い、静かなバトルが始まる。

 結婚は家同士のつながり。だが、子育てはあくまで夫婦のチーム戦だ。

 親たちが過去の価値観で競い合うほど、板挟みになるのは“母親”という立場の娘や嫁だ。

「結婚式より今のほうが両家の戦い」ーーミホの皮肉混じりの言葉が、やけにリアルに響いた。

 笑いながら語っていたけれど、その裏には“家族の形とは何か”という、切実な問いが隠れていたのだ。

(おがわん/ライター)

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