復員兵を蝕んだPTSDとDVの世代間連鎖 映画「父と家族とわたしのこと」監督に聞く
厚労省は調査に後ろ向き
父親の自死に際して「万歳!」と歓声を上げ、その写真をハンカチに包んだままにしていた藤岡さんは、鳥取県内の父親の生家やシベリア抑留の現場に足を運び、足跡をたどる。
佐藤さんの映像に関しては、プライバシー保護のためAI加工を活用。違和感なく仕上がっている。
「顔にモザイク処理をして、声にはボイスチェンジャーをかけるのが従来の手法でした。今作のテーマからして、そのやり方では異世界の人、異質な人という印象を際立ててしまいかねない。より身近な存在として捉えてもらうために、できる限り自然な形で表情や言葉のニュアンスが伝わるよう腐心しました。戦争トラウマは孫世代に連鎖し、被害者が隣にいても不思議ではありませんから」
戦争トラウマに見舞われた旧日本兵に関する国の実態調査をめぐり、PTSDの日本兵家族会などは5日、厚労省の担当者と面会。戦傷病認定者に限定している調査対象を拡大するよう改めて求めたが、厚労省は後ろ向きだ。
「政府はパンドラの箱を開けたくないのでしょう。蓋をして見て見ぬふりをしてきたから、戦争トラウマの影響が何世代にも及ぶ事実を多くの人が知らずに過ごしてきた。勇ましいイメージを振りまく高市内閣が高支持率を維持しているわけです。この国が再び戦火にまみえれば、トラウマが深く広く積み重なるのは間違いありません」
















