著者のコラム一覧
若月澪子ルポライター

1975年生まれ。ジャーナスリト。大学卒業後、NHK高知放送局・NHK首都圏放送センターで有期雇用のキャスター、ディレクターとしてローカル放送の番組制作に携わる。結婚退職後に自殺予防団体の電話相談ボランティアを経験。育児のかたわらウェブライターとして借金苦や終活に関する取材・執筆を行う。生涯非正規労働者。ギグワーカーとしていろんな仕事を体験中。

アベノミクスで「億り人」になった62歳 それでも「手に入らなかった」人生の後悔

公開日: 更新日:

「億り人」が狙う「スーパーの2割引きの総菜」

 それでもAさんは慎ましい生活を心がけている。スーパーで購入する惣菜や弁当は、値引き品しか買わない。

「スーパーの総菜は2割引になる昼過ぎを狙う。半額になる夕方まで待つと、売り切れちゃうので」

 お金持ちほど質素な生活が身についている。Aさんは「無駄遣いをせずに、こういう生活を続けてきたからこそ、お金が貯まったのだろう」と話す。

 そんなAさんが心配するのは、やはり自身の健康である。

「心臓が悪いので、食事には気を遣っています。朝食のパンは全粒粉のものしか食べない。ヨーグルトにはバナナと黒ゴマ、クルミを砕いたものを入れている。最近はクルミが高いですよね。朝食は1食あたり500円くらいかけてます」

 心臓の持病のせいで、旅行も控えている。週に1日は区内のスポーツセンターに行きエアロバイクで体力を保持する。楽しみはスーパー銭湯。そんなAさんの最大の後悔はこれである。

結婚しなかったことが人生の失敗です。30歳のころに付き合っていた女性を母親に紹介したら猛反対されて『そんな女と結婚するなら、家も財産も譲らない』と言われ別れました。その後、何度もお見合いしましたが、いい人には巡り会えなかった。40代以降は結婚相談所に登録したけど、理想が高くなっちゃってダメ。50代は親の介護で終わった。すでに両親共に逝きました」

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