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黒岩泰株式アナリスト

山一証券、フィスコなどを経て、2009年4月に独立。独自理論である「窓・壁・軸理論」をもとに投資家に、株式・先物・オプションの助言を行う。著書に「究極のテクニカル分析」「黒岩流~窓・壁・軸理論」など。

私たちは数百円の薬代を節約するため「目に見えない巨大コスト」を払い続けている

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 もう一つは、病院の方が薬が安いという現実だ。市販の薬は当然ながら保険適用外。しかし、病院という聖域を通せば、驚くほど強くて安い薬が手に入る。

 これが何を意味するか。国民がこぞって「より安く、より強い薬」を求めて病院に殺到しているという、皆保険制度ゆえのいびつな光景である。

 私たちは、薬代を数百円節約するために、何時間もの待ち時間と、事務手続きの疲弊という「目に見えない巨大なコスト」を黙々と支払い続けているのだ。

「おっと、この待合室は“密”ですね(笑)」

 だが、こういった“密”はいずれ解消する可能性が高い。なぜならば、国が強引に「財布の選別」を進めているからだ。

 たとえば、70歳以上のシニア世代が窓口で払う医療費は引き上げられようとしている。さらに、ドラッグストアで買えるような湿布や目薬は保険がきかなくなり、全額自己負担を強いられそうなのだ。これらは一見、“医療費の削減”というもっともらしい看板を掲げているが、その本質は「病院を遠ざける」ための“選別装置”でもある。

 支払える者は“高級薬”を得て、支払えない者はドラッグストアの片隅で“ジャンク薬”を買わされる。これが現実なのである。

 結局、この国の医療制度もプニョプニョと同じ“不治の病”を抱えているということなのか……。

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