牧野伊三夫
著者のコラム一覧
牧野伊三夫画家

1964年生まれ。画家。美術同人誌「四月と十月」同人。著書に「かぼちゃを塩で煮る」(幻冬舎)、「僕は、太陽をのむ」(港の人)ほか。北九州市情報誌「雲のうえ」、飛騨産業広報誌「飛騨」編集委員。

真鱈の切り身か鶏のむね肉を一緒に煮る「湯豆腐」の食べ方

公開日: 更新日:

 東京の路地に小さな酒場を探しては、飛び込んで酒を飲んでいた時期がある。その頃、神楽坂に、名前は忘れてしまったが、うまい湯豆腐を出す店があった。

 モルタルのボロいアパートの1階の入り口までたどり着くのに壁との間の道が狭すぎて、体を横にしてカニのように歩いて行かねばならないようなところだ。小さな鍋のまん中に、つけだれの碗を沈めてあたため、具は豆腐のほかに、しいたけ、かまぼこ、白滝、白菜、春菊など、いろいろ入ってにぎやかだった。割烹着姿のおばあさんが作ってくれるのだが、いたんだ畳が敷かれた小上がりの小卓で、コンロに火をつけて、つつきながら飲むと酒がうまかった。この間懐かしくなって久しぶりに行ってみると、アパートごと取り壊されていた。さびしいことだ。

 本来湯豆腐というものは鍋に昆布と豆腐しか入れないが、僕は他にもちょっと何か入れたくなり、家では鱈ちりか、鶏肉入りのをよくやる。鍋に水をはって昆布を沈め、豆腐、しめじ、水菜、それに真鱈の切り身、あるいは鶏のむね肉を観音開きにして切ったのを一緒に煮る。つけだれの方は、ねぎと醤油、それにかつおぶしを少しと、柚子胡椒を耳かき一杯程度加える。食べるときに柚子の皮を細く切ったのを小皿に用意して入れるのだが、そのほんのりとした苦味が酒によく合う。

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