官民一体となった喫煙所整備の必要性がますます高まる

公開日: 更新日:

 財政上の理由もある。現実問題として東京23区の地価は高騰し過ぎているため、各自治体が新たに土地を取得して喫煙所を設置するなんて非現実的でしかない。例えば誰もが知っている有楽町駅前(千代田区)は1平方メートルあたりの地価平均額が2200万円である。5平方メートルの狭い喫煙所を設置するとしても1億円以上かかってしまう。これはナンセンスだ。だったら、駅周辺のビルの所有者に協力してもらい、区が助成するという形が現実的である。

 さらに民間事業者が整備する屋外閉鎖型喫煙所の設置を促すことで、望まない受動喫煙防止対策だけではなく、環境美化にもつながる。

 こうした官民一体型の取り組みは、たばこ、受動喫煙防止問題だけでなく、さまざまな意見、価値観を取り入れてまちづくりを行っていく今後の行政のあり方にも反映してくる。ダイバーシティーだとか持続可能性といった言葉だけが独り歩きしがちな社会において、官民が一体となった屋外分煙施設づくりは、多様性に富んだまちづくりの一環となるはずだ。単なる受動喫煙問題ではないのである。納税者や区民はそのあたりをもう一度熟考してみるべきだろう。 (おわり)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性