命からがら亡命したはずが…ロシア空爆を逃れたウクライナ女性、米国で無差別殺人に遭った「なぜ?」
侵攻が始まって半年ほど経った2022年8月、イリーナさんは母親ときょうだいたちと共に米国への亡命が認められ、ノースカロライナ州シャーロットに移住した。
そこでイリーナさんは英語をマスターし、芸術の才能を生かしながら、動物診療助手を夢見て努力を重ねていた。事件当時は、ピザレストラン「ゼペディーズ・ピッツェリア」でウエートレスとして働いていた。
市警とCATSが事件後、捜査などのために詳細を公表しなかったが、9月5日、CATSが凶行の瞬間を捉えた監視カメラの映像を公開したことをきっかけに、事件はSNSで急速に拡散。メディアもそれに追随する形で報じ、全米の注目を集めた。
戦争から逃れてきた若い女性が無差別殺人の犠牲になったこの悲劇は、被害者が白人のウクライナ人女性、加害者が黒人で精神疾患を持つ常習的犯罪者であることから、人種問題、移民問題、メンタルヘルス支援制度の欠陥などさまざまな要素が絡み合って、複雑な政治、社会的問題が浮き彫りになっている。
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