大発会から大暴落…16年「アベノミクス相場」終焉の予兆
波乱の幕開けとなった。2016年大発会の平均株価は、世界経済の先行き不安から下落幅が一時600円を超えた。1990年の平成バブルの大崩壊を彷彿させる不吉なスタートは、約3年間に及んだアベノミクス相場の終焉を予兆している。
昨年の大納会で年末終値として19年ぶりに1万9000円台をつけたのもツカの間。アッという間に平均株価が1万8000円台半ばまで下落した要因には、さまざまな国際情勢が折り重なっている。
昨年末の米国株の下落で投資家の消極姿勢が強まっていたところに、中国株の再暴落とサウジ・イランの国交断絶というダブルパンチだ。中国の景気減速はとどまることを知らず、上海市場はこの日導入されたばかりの緊急避難的な取引停止措置「サーキットブレーカー」をいきなり発動。中東情勢の混乱も、低迷続きの原油相場のさらなる不安定要素となるのは間違いない。
「新年早々、国際情勢の不透明感が増し、世界中の投資家に『リスク回避』のスイッチが入ったようです」と言うのは、経済評論家の斎藤満氏だ。こう続ける。
「為替市場は早速、比較的安全といわれる円が猛烈に買い戻されて、円高の流れが加速しています。昨年12月には1ドル=122円台の円安基調で推移していたのに、すでに118円台まで円高が進行。円高基調がこのまま続けば為替差益によって空前の利益をあげていた輸出大手も一転、為替差損に苦しみ、収益を圧迫しかねません」