適正水準は1ドル=93円 超円高が決算発表ラッシュを襲う
GW中の円高は序章に過ぎなかった――。市場が警戒を強めている。
「GW直前は1ドル=111円台でしたが、日銀が追加金融緩和に踏み切らなかったことで、一気に円高が進み、3日には一時105円台を付けた。GW中に6円も円高が進んだのです。為替相場は極端に不安定になっています。急激な円高が再び出現する恐れは高いでしょう」(市場関係者)
麻生財務相の「極めて一方的に偏った投機的な動きが見られる。極めて憂慮する」という為替介入をにおわせる発言(3日)で、市場はいったん落ち着きを取り戻した。
「ただし、円高の流れは止まっていません。米財務省は日本を為替操作国に認定しようとしているし、今月26~27日は伊勢志摩サミットが開催されます。日本は動けないと投機筋が判断したら、とてつもないスピードで円高が進む危険があります」(株式評論家の倉多慎之助氏)
経済協力開発機構(OECD)や世界銀行が、物価から算出した購買力平価は1ドル=105円程度だ。このレベルまで円高は進むと読む市場関係者は多いが、株式アナリストの黒岩泰氏はこう言う。