重道武司
著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

「三菱ケミカルHD」田辺三菱製薬の子会社化は高過ぎる買物

公開日: 更新日:

 総合化学国内最大手、三菱ケミカルホールディングス(HD)が発行株の56%超を保有する上場子会社、田辺三菱製薬の完全子会社化に踏み切る。新薬創出の遅れや研究開発費の膨張などで業績が低迷、本体との連携強化なしには生き残りは困難と判断したもようだ。

 田辺三菱製薬は1678(延宝6)年創業という業界屈指の名門、田辺製薬と三菱ケミカルHD全額出資の三菱ウェルファーマの合併で2007年誕生した。しかし、09~13年にかけて品質データの改ざんなど不祥事が相次ぎ、経営が混乱して成長がストップ。19年3月期の営業利益も前期比34・9%減の503億円にとどまっている。

 そんな中、持ち上がってきたのが、多発性硬化症治療薬「ジレニア」を巡るスイス・ノバルティスファーマとの係争だ。これにより、20年3月期は同社からのロイヤルティー収入438億円が吹き飛び、営業利益は同77・1%減の115億円にまで大きく後退する見通し。一部では、三菱ケミカルHDによる「保有株売却観測」も取り沙汰されていた。

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