小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

4代目ホンダ・フィットは競争ではなく愛に目覚めた

公開日: 更新日:

ホンダ・フィット(車両価格 \1,557,600~/税込み)

 注目の4代目ホンダ・フィットに公道で乗ってきた。去年11月の発売予定だったが、パーツ供給不足もあって今年2月に発売延期。なぜならフィットは、国内マーケットにおけるホンダの屋台骨であり、特に4代目は日本マーケットを中心に開発。一応軽のNーBOXがバカ売れしているホンダだが、いつまでも「軽メーカー」と呼ばれるわけにはいかない裏事情もある。

 しかも01年発売の初代フィットは当時国民車として名高いトヨタ・カローラを販売で凌駕し、33年連続国内乗用車No.1を阻止した名車。直近3代目はかつての勢いを失っていただけに、新型は捲土重来を狙っているのだ。

 だが、新型は戦い方を明らかに変えている。かつては燃費No.1、スペースNo.1とスペックにこだわっていたが、今回はことさらそれをうたわない。事実プラットフォームは基本3代目のキャリーオーバーで車内スペースはほぼ変わりない。

 そうではなく乗る人の本当の心地よさを重視しているのだ。それはまず見た目からで今までの空力&スペース重視のものではない。「柴犬」をモチーフに作られたキュートデザインで、オーナーに長く愛されることを目標としている。

人への優しさで勝負するコンパクトへ

 また視界の良さも考慮し、フロントピラーは前後2本立て。前を細くして視界を確保し、後で剛性を保つアイデアだ。

 同時にパワートレインは既存1.3ℓガソリンをブラッシュアップしたものと、新開発の1.5ℓ2モーターハイブリッドのe:HEVの2本立て。特に後者はリアルなWLTCモード燃費の最良が29.4km/ℓと相当いい。実燃費も25km/ℓを超えてきそうだが、それはさほどうたわない。

 それ以上に同じ電動加速の最強ライバル、日産ノートe-POWERのような、エレクトリカル風味を極力カットしている。e-POWERはペダルを踏んだ瞬間に立ち上がる、モーター風味を強調しているが、ホンダe:HEVは加速自体は滑らかだが、踏んだ時の感じはガソリン車と違和感がない。

 そう、インパクト勝負ではなく、人への優しさで勝負するコンパクトへ変貌したのだ。

フランス車のような乗り心地

 乗り心地やハンドリングもかつては、ことさらキビキビさを強調したものだったが、4代目は真逆に様変わり。まるでフランス車のような当たりのよさ、乗り心地を獲得しているのだ。

 特に印象的なのは旧型より3cmもクッションを厚くしたフロントシートや同様のリアシートで、座り心地が今までとは明らかに違う。スポーティさという点では物足りないと感じる人もいるかもしれないが、乗ってて愛情を感じるコンパクトカー仕上がっているのだ。

 正直、ノートe-POWERの客層は取れない気がする。ただ、クルマに今までにない癒やしを求めたい人には朗報。新型フィットはライバルとまったく戦ってないわけではない。“戦い方”を大きく変えてきているのである。

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