株式会社空調服 市ヶ谷弘司会長<1>革新的なウエア「空調服」の生みの親
夏の工事現場や高温環境下の工場などで欠かせないアイテムとなっている電動ファン付きウエアの元祖「空調服」。その生みの親が、ほかでもない市ヶ谷である。
「空調服」は夏場の熱中症対策商品として注目が集まり、競合品の電動ファン付きウエアも続々と登場している。いまや電動ファン付きウエア市場は100億円以上の規模に拡大するまでになった。
このような背景から、電動ファン付きウエアの総称のように誤解されているが、「空調服」は販売会社の社名であるとともに、同社が販売する商品の商標である。
そもそも「空調服」の開発は市ヶ谷の地球温暖化防止という発想から始まった。
1990年代、出張先のタイやマレーシアでは、ビルの建設ラッシュが続いていた。
「どのビルもクーラーがガンガン効いていて、このままでは、地球温暖化が加速するのではないかと懸念しました」
日本には、暑いときに打ち水をする生活習慣がある。撒いた水の気化熱が路面の熱を奪って涼しくなるというものだ。