岸田政権の政策は「新しい社会主義」賃上げを提唱するもいまだに伸び悩み
日銀によれば、2021年9月末時点の個人の金融資産残高は1999兆8000億円と過去最大だった。昨年末には2000兆円を突破したようだ。この増加は、コロナ不況とは無関係で7四半期連続というから驚く。
21年10月以降の米国株高や円安で、内外投資信託の価格が値上がりし、12月にはボーナス支給もあったためだ。金融資産がはじめて1000兆円となったのは、1990年。「失われた30年」のデフレ下で個人の金融資産は倍増した。
富裕層は多額の資産を保有しているが、そうした個人は海外株への投資も加速している。海外株を組み込む投信への純流入額(流入から流出を引いた値)は21年に7兆円を超え、集計できる06年以降で最大となった見通し。
日興リサーチセンターによると、上場投資信託(ETF)を除く海外株投信への21年の純流入額は12月16日時点で7兆9196億円。これまで最大だった07年の5兆6760億円を大きく上回った。
経済協力開発機構(OECD)のデータによれば、主要先進国のオーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国の8カ国の賃金(現地通貨建て名目賃金)に関して、2000年を100として指数化した、2000年から19年までの賃金の伸びは、8カ国のなかでマイナスとなっているのは日本だけ(マイナス4.2%)。日本を除く7カ国の賃金の伸びを見ると、オーストラリアは80%台、カナダ、英国、米国は60%台、フランス、ドイツは50%台、イタリアでさえ40%台である。