トヨタ自動車トップ交代で気になる豊田社長の動き 政権との距離が縮まり“財界総理”に名乗り?
経団連の次期会長に就任するのだろうか──。先週、そんなニュースが話題となりました。トヨタ自動車の豊田章男社長(66)です。
26日にトヨタ自動車は社長交代を発表。豊田社長は会長に就き、新社長は佐藤恒治執行役員(53)。内山田竹志会長(76)は退任とのことです。豊田氏が社長に就任したのは2009年6月。約13年にわたり、トヨタ自動車の舵を最前線で取ってきたことになります。
新型コロナの対応にもメドがつき、若返りを図ることがトップ交代の狙いだといいます。ネット会見で、豊田社長は「交代のきっかけは内山田会長の退任だ。トヨタの変革をさらに進めるため、私が会長となり新社長をサポートすべきだと考えた」と話しました。
ただ、それだけではないのでは? という見方が株式市場などで流れました。
「豊田社長は長い間、経団連などの財界活動とは距離を置いていました。かつて菅前首相が脱ガソリンを掲げ、EV促進をぶち上げたことがあります。当時、豊田社長は『ビジネスモデルが崩壊する』と猛反発しました。安倍元首相とも相性は悪かったようで、賃上げ要請を繰り返す首相に首をかしげたと伝わります。要するに、仲が悪かったのです。変化が見られたのは、昨年ですね」(経済ジャーナリストの井上学氏)