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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

2023年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは5代目プリウスに! が、なぜ珍しいのか?

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プリウス“V字回復”の裏に開発陣の一念発起

 実際、4代目あたりのプリウスは国内月販トップ3の常連だった。4代目登場の2015年あたりはアクアかプリウスが1位だったし、3代目は年間30万台以上売った年もあった。だが4代目は「デザインがトリッキーすぎて失敗した」説もあり、末期の2021〜22年頃はベスト10圏外をさまよい、最後は20位近くに行った。プリウス=売れるクルマではなくなり、ハイブリッド専用車の役目を終えつつあったのだ。

 全く同じハイブリッドユニット搭載車にカローラハイブリッドがあり、SUV版のカローラクロスハイブリッドもある。プリウスより燃費のいい小型ハイブリッドにヤリスとアクアがあり、その小型プラットフォームを使った7人乗りミニバンのシエンタもある。ぶっちゃけ「プリウスは要らない」は常識になりつつあったのだ。当時トヨタ自動車社長の豊田章男氏には「プリウスをタクシー専用車にする」という考えもあったほど。

 だがそれに反発した開発陣が一発奮起。今の「プリウス、スーパーカー計画」を敢行した。5人乗りのハイブリッド専用車という枠を守りつつ、フロントウィンドウをペッチャンコに。開発責任者の大矢さん曰く、「Aピラーの角度はランボルギーニに近いんです(笑)」という。結果、乗り降りは明らかに不便になるし、年配の人は特に乗り降りがしにくい。だが、その分シート位置を下げたり、車内を広くしたりして欠点を補い、プリウス“スーパーカー”は発売された。

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