著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

大正製薬HD(上)過去最大のMBOは祖父・父から子への相続が狙いか

公開日: 更新日:

 大正製薬HDは11月24日、TOBへの賛同を表明。株主に応募を推奨した。合計で40%超を保有している創業家はTOBへ応募を決めている。

 MBOは上原明社長と茂副社長が提案した。新型コロナを契機に医薬品・ヘルスケアビジネス市場が大きく変貌したことに加え、医薬品事業は厳しい事業環境の中、中長期的な目線での経営の舵取りが不可欠だ、と判断した。

 大正製薬HDは一般医薬品(大衆薬)の最大手で風邪薬「パブロン」やドリンク剤「リポビタンD」などが高い知名度を誇り、ドラッグストアなど店頭販売が中心だ。

 今後は大衆薬のネット販売に向けたインフラの整備や、グローバル化するためには同業他社や医家向け製品を製造する企業を買収することが必要になる。これには大きなリスクが伴い、買収を検討する時間が要る。短期的な株価上昇や利益の配分を求める株主の支持を得るのは難しい、というのがMBOを決断した理由だ。

 9月までに早期退職優遇制度で645人が退職し、スリム化にも取り組んでいる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも