小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

今、ダイハツの代わりに買うべきクルマ(2)ロッキー、タフト、ミライースからの乗り換えは?

公開日: 更新日:

ダイハツロッキー&トヨタライズの代わりならホンダWR-V

 不正問題で突如買えなくなったダイハツ車。個人的にはコスパに優れた大衆車メーカーなので早めの再生を願うが、なるはやで代用新車を見つけなければいけない人もいるだろう。前回に続き、ダイハツ車の代わりに何を買うべきか。その場合どんな利便性を失うかを勝手に想定してみた。

 ◇  ◇  ◇

 直近ダイハツで売れていた4位、ダイハツロッキー&トヨタライズ(去年11月に7268台)の代わりといえば、先日受注を開始したホンダWR-Vだ。そもそもロッキー&ライズの良さは分かりやすい。今どきSUVでは珍しい扱いやすい5ナンバーサイズで価格が安く、ライズに関してはアニキ分のトヨタRAV4にもちと似ている。競合にはない電動のシリーズハイブリッドも選べる。

 よって厳密にWR-Vは完全なロッキー&ライズの代わりにはならない。全幅1.79mで5ナンバーをハミ出しており、微妙にデカめだからだ。ただしこのお買い得感であり、カッコ良さ&使い勝手はある意味ダイハツSUVを超えている。今回の問題がなくても相当ガチで張り合っただろう。

 まず優れてるのは前述5ナンバー超えでも扱いやすいサイズ。全長4.3m台で幅も人気のホンダSUV、ヴェゼルとほぼ同じ。それでいて全高は6cm高いのでより広くて使いやすい。ラゲッジに関してはヴェゼルよりだいたい70ℓ広い458ℓ。当然ロッキー&ライズの369ℓよりも大幅に広い。

 一方弱点というか安い理由もあり、ASEAN開発のインド生産車だからか、今どきハイブリッドやフルタイム4WDが選べない。パーキングブレーキもオーソドックスな手引き式でATもストレート式。ただし、1.5ℓエンジンは十分パワフルだし、先進安全のホンダセンシングも全車標準。最新コネクティッドのホンダコネクトも装着可能。それでいて価格は全グレード250万円以下! ホンダセンシング付きの廉価版は209万円強という安さ。これは脅威だ。

タフトの代わりなら当然スズキ ハスラー

 売れてた5位のタフト6634台の代わりといえば当然、スズキ ハスラーだ。一時は軽販売ベスト3にも入ってた元祖軽SUVで、そもそもハスラーの方が売れていたので十分代わりになる。デザインは丸目で分かりやすく可愛く、スズキならではの燃費の良いマイルドハイブリッドも選べ、オマケに後席は畳むと低くフラット化し、厳密にいうとタフトより使いやすい部分も多い。

 が、タフトも捨てがたい魅力を持っており、ハスラーにはない「軽のSUVデートカー」コンセプトを打ち出しており、角目ライトと武骨なグリルがちとワイルドアメ車のハマーっぽい。比べるとハスラーはプチジープだ。

 さらに、LEDヘッドランプや自慢の巨大サンルーフことスカイフィールトップが全車について130万円台スタートというコスパも凄かった。やっぱダイハツさん戻ってきて〜。

ミライースの代わりはスズキ アルト

 売れてた6位、ミライース6019台の代わりといえば、これまた当然のスズキ アルトだ。昭和人間なら知る「アルト47万円」のCMコピーで有名な元祖コスパ軽カーで、同じく安さで売るミライースの十分な代わりになる。

 今売られている9代目はなんと先進安全のスズキセーフティサポート全車標準で、発売当初はスタート価格が税込100万円切り(今は106万4800円~)。これは中身を考えるとミライースを凌ぐコスパぶりで、アルト初のマイルドハイブリッドも装備。最良WLTCモード燃費はリッター27.7kmと、ほとんどストロングハイブリッド並みのエコ度を誇っているのだ。

 比べると現行ミライースはベーシックグレード価格こそ100万円切りと安かったが、先進安全は最新手前のスマートアシストⅢに留まっていたし、マイルドハイブリッドも選べず、アップデートが待たれていた。

 2017年デビューなのでそろそろ改良の時期だし、そんなタイミングのこの問題発覚だったのだろう。しかも今もコスト高時代、よりダイハツらしいコストカットも迫られていたはずだ。

 とはいえ、ますますビンボー化が進むニッポン、物作りにはやはり優れたコスパ感覚やコストカット技術が必要になる。返す返すもダイハツの健全なる再生を望む。

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