著者のコラム一覧
中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

半導体の抑止「シリコンの盾」がなくなる日 台湾有事を覚悟するべきなのか

公開日: 更新日:

 1月の台湾総統選挙で、中国が「台湾独立勢力」と非難する民進党の頼清徳が当選したが、立法委員選挙では民進党は過半数を割り、国民党に次ぐ第2党に転落した。

 米国の恐れる中台統一。中国では「台湾総統選挙」を「台湾地区での選挙」と報道していた。香港の独立運動は消滅し、社会も沈静化である。これは米国には想定外と思われ、習政権のもと2030年までに起こりうる中台統一に対処。軍事産業の要の半導体製造、その世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)を66億ドルの巨額補助金を交付し米国に誘致した。

 台湾は安全保障上の観点から半導体生産を重視してきた。台湾有事の際に半導体の供給網が混乱することを中国や国際社会に認識させて抑止力とする戦略は「シリコンの盾」と呼ばれているが、TSMCの米国誘致で、この盾がなくなる。

 先端半導体(回路線幅10ナノメートル未満)の生産は、世界全体の92%が台湾に集中している。TSMCは半導体の受託生産で世界シェア56%を握っており、米政権は30年までに世界の先端半導体の2割を国内で生産する目標を掲げている。

 韓国では19年以来となる日中韓首脳会談の5月開催に向けて調整が進められているというが、岸田政権はどう中国に対応するだろうか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  2. 2

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 8

    ソフトバンクに「スタメン定着後すぐアラサー」の悪循環…来季も“全員揃わない年”にならないか

  4. 9

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  5. 10

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明