鉄道会社がうたう「座りたい」ニーズは本当にある? 有料着席サービスに見え隠れする別の思惑

公開日: 更新日:

 朝のニュース番組「グッド!モーニング」(テレビ朝日系)が5月7日、東急電鉄の平日夜の有料着席車両「Qシート」のサービス変更について特集した。

 Qシートは2018年12月、東急大井町線でサービスを開始。昨年8月に東横線(渋谷~横浜)に導入された。同社のウェブサイトを見ると、「こんな方におすすめのサービスです」とのフレーズに続き、「帰宅ラッシュを避けてゆったりとした空間で帰宅」といった例をあげている。

 東横線における同サービスは当初は1日5本、1編成当たり2両という運航形態だった。今回のサービス変更によって5月7日からは1日7本に増便されるものの、1編成当たり1両となり、両数の観点で見ると3両減らされる。特集では「Qシート」について、「利用者が伸び悩んでいることによる措置です」とのナレーションがあった一方で、他の鉄道会社も有料着席ライナーを導入していると紹介。「近年、広がりつつある『着席ニーズ』」といった触れ込みで特集を進め、最後には東急のサービスに戻って「試行錯誤が続きます」と締めていた。

 上述のナレーションに加え、特集中には「Qシート」の車両の人がまばらな様子と普通の車両が混んでいる様子がVTRで対比されたほか、識者の話として「Qシートは渋谷から横浜までという短距離のみ走行しているので、500円とかそれぐらい出すとなると、ちょっと金額に見合わないなというのが、利用者の感覚、反応なんでしょうね」というコメントを流すなど、お世辞にも「Qシート」が盛況とは言えない論調だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」