金利上昇局面なのに…銀行株はなぜ活気づかない?

公開日: 更新日:

 年初から日経平均の高値更新を牽引してきた銀行株だが、8月上旬の暴落後の戻りはさえない動きになっている。

 金利上昇を見越して銀行株を仕込んできた投資家はイライラしているのではないだろうか。

 7月末から9月26日までを見ると、日経平均は99.5%まで回復しているが、メガバンクの株価の戻りはいずれも80%台である。理論上、金利上昇は銀行に大いにプラスで、この先も日銀は政策金利を上げていく方針だから、銀行株はもっと活気づいて不思議ではないのに、この低迷である。

 原因はどこにあるのか。ポイントは4つだろう。

①日本の金利上昇は緩やかで限定的

②仮に利上げが進んでもそれが収益に寄与するのかという疑問

 これはちょっと説明が必要だろう。銀行の利益は、預金などの短期資金を長期の投融資で運用して稼ぐのが基本。ところが、日本では長期国債に対する国内投資家の需要が強く、待機資金は200兆~300兆円規模と推察されるほどで、そのために長期金利が上がらない。最近は0.8%台前半に低下し、短期との金利差が縮小しているのが現実。これではうまみは少ない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった