著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

「ユーグレナ」が上場以降初の希望退職者募集 …“原点回帰”で赤字体質を克服できるか

公開日: 更新日:

■窮地を救った堀江貴文

 だが、失敗を繰り返して1年で貯金は底を突いた。その窮地を救ったのが、当時、ライブドア社長だった堀江貴文氏だった。「面白い! 俺が投資するので会社にしろ」(堀江氏)と背中を押され、オフィスは六本木ヒルズにあったライブドア本社の一角を間借りしたスタートだった。

 しかし、営業は思うように進まず、再び資金難に。2度目の窮地を救ったのは伊藤忠商事だった。2007年末、雑誌で同社を知った伊藤忠商事の担当者からコンタクトがあり、翌2008年5月に提携。その後は栄養食品やバイオ燃料生産用に受注が急増した。

 順調に成長したように見える同社だが、「2018年9月期以降は実証プラント建設費用などに多額の資金が投じられるなど先行投資により毎期、損失計上が続き、繰越損失を抱えている状態」(大手信用情報機関幹部)という。

 出雲氏がミドリムシに没頭したのは、学生時代にグラミン銀行のインターンとしてバングラデシュに赴いた際、タンパク質やミネラルの不足により深刻な栄養失調に陥った人々を目の当たりにしたこと。「栄養のある作物を届けたい」との思いがミドリムシ培養の原点だ。はたして希望退職募集で原点回帰は図れるか……。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党さや候補のホストクラブ投票キャンペーンは、法律的に公選法違反になるのか

  2. 2

    “ケチ付き昇進”横綱豊昇龍がまた休場…名ばかり横綱だった先輩2人との「いや~な」共通点

  3. 3

    参政党が急失速か…参院選「台風の目」のはずが賛同率ガタ落ち、他党も街頭演説で“攻撃”開始

  4. 4

    君はそれでも参政党に投票するのか…若者たちの“熱狂”が引き寄せる「徴兵制」「治安維持法」

  5. 5

    “金星プレゼンター”横綱豊昇龍に必要な叔父の図太さ…朝青龍は巡業休んでサッカーしていた

  1. 6

    “トンデモ発言”連発の参政党が参院選終盤でメディア批判を展開する理由…さや候補も「マスコミはウソつき」

  2. 7

    石破と菅が練る「敗戦処理」案…幹事長交代で、進次郎起用、連立相手は維新が本命

  3. 8

    5周年のSnow Man“目黒蓮独走”で一抹の不安…水面下のファン離れ&グループ内格差

  4. 9

    参院選で激戦の千葉選挙区で国民民主党“激ヤバ”女性議員を自民県連が刑事告発し泥仕合に

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒