著者のコラム一覧
中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

加速する初任給引き上げ「大卒30万円」の懸念材料…“格差拡大”で中堅社員の士気低下も

公開日: 更新日:

 政府の「賃上げ」要請に呼応するように日本経団連に加盟する大企業を中心に、初任給引き上げが加速している。業界を問わず、「企業は人なり」と優秀な人材確保のため、大卒で月30万円台に乗せる企業も相次いでいる。

 ファーストリテイリングは2025年3月の給与改定で新卒社員の初任給を33万円にする。明治安田生命保険は25年4月入社で33.2万円(全国転勤あり、固定残業代込み)と2年連続で引き上げた。三井物産や伊藤忠商事など大手商社は軒並み30万円を超えている。

 東京海上日動火災保険が26年4月、転勤と転居を伴う場合の大卒で最大約41万円とし、三井住友銀行も同入行の初任給を30万円にする。

 26年には新入社員と2~3年社員の給与はほぼ横並びとなり、一段と実績重視の厳しい出世競争に直面する。

 また、その初任給アップの原資は、年功序列の崩壊で管理職の給与圧縮でもあろう。

■中小企業は21万円台

 民間シンクタンク・産労総合研究所の調査によると、24年4月入社の大卒社員の初任給は、従業員数1000人以上の大企業で24万1082円、同299人以下の中小企業では21万8118円。30万円台が相次ぐ東証上場の大企業の水準には到底及ばない。人件費などコストの増加分を価格に反映した割合を示す「価格転嫁率」は49.7%と賃上げ原資に悩む中小企業は多い。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か