著者のコラム一覧
森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

ホンダ・日産統合決裂で思い出す…「三井住友銀行」誕生会見での“ラストバンカー”西川善文氏の言葉

公開日: 更新日:

 対等の精神で統合を目指すとする日産の内田誠社長とは対照的に、「率直に申し上げれば経営統合が成就しない可能性もゼロではない」(三部氏)とまで言い切った。「ホンダの三部さんに日産の内田さんを思いやる気持ちはみじんも感じなかった」(メガバンク幹部)といえる。

 この統合会見を目の当たりにして思い出されるのが、1999年10月14日夕刻、ホテルニューオータニ(東京)で開かれた住友銀行とさくら銀行(旧三井銀行)の合併会見だ。会見に臨んだ住友銀行の西川善文頭取とさくら銀行の岡田明重頭取は、住友と三井という財閥の枠を超えて一緒になる決断をしたことに高揚していた。

 記者の質問も出尽くし、司会が最後に選んだのが外資系のメディアだった。そこで飛び出したのが「今回の合併は住友銀行によるさくら銀行の救済だと思うが、岡田頭取はそのことをどう思うか」との質問だった。

■「断じてさくら銀行の救済ではない」

 困惑しつつも岡田氏が答えようとした瞬間、横にいた西川氏が口を開いた。「今の質問は承服しかねる。今回の合併は断じてさくら銀行の救済ではない」と。西川氏の強い口調に会場は一瞬、静まり返ったことを覚えている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • ビジネスのアクセスランキング

  1. 1

    くも膜下出血で早逝「ブラックモンブラン」41歳副社長の夫が遺してくれたもの…妻で竹下製菓社長が告白

  2. 2

    ロピア(上)カトパンの夫が社長就任後に急成長 イトーヨーカ堂の7店舗を手に入れる

  3. 3

    クリーク・アンド・リバー社 井川幸広会長(1)プロフェッショナル人材の生涯価値の向上を掲げて全面サポート

  4. 4

    インターネット・アカデミー 西洸人社長(1)祖母が教えてくれた「自分のことより人を先に」が仕事の本質

  5. 5

    クリーク・アンド・リバー社 井川幸広会長(6)事業は「ロマンと算盤」のバランス 消滅危機のサガン鳥栖の再生へ

  1. 6

    クリーク・アンド・リバー社 井川幸広会長(7)出資ベンチャー元日野自動車会長の下義生氏が采配を振るうワケ

  2. 7

    「ブラックモンブラン」竹下製菓が最大の危機に…事業拡大の矢先、右腕の夫と会長の父に先立たれ

  3. 8

    インターネット・アカデミー 西洸人社長(2)就職氷河期に「誰かにきっかけを与える仕事をしたい」と入社

  4. 9

    トランプ政権もう不協和音?イーロン・マスク氏「ソフトバンクはカネがない」と78兆円AI投資に疑義の本音

  5. 10

    キコーナ 木下春雄会長(1)パチンコ店業界3位のグループを率いる創業者の紆余曲折

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  2. 2

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 8

    ソフトバンクに「スタメン定着後すぐアラサー」の悪循環…来季も“全員揃わない年”にならないか

  4. 9

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  5. 10

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明