“顔の可愛い化”だけじゃなかった! ワゴンR スマイルはマイチェンで走りも安全も絶妙進化
スズキ ワゴンR スマイル(車両価格:¥1,489,400/税込み~)
ご存じだろうが、いま日本で一番売れているのは、ホンダN-BOXやスズキ スペーシアなどの軽スーパーハイトワゴン。全高1.7m超と背高で、スライドドア付きの超便利なファミリーカーだ。
ではその次に何が売れてるかというと、トヨタ ヤリスやカローラなどのハイブリッドも選べるコンパクトカー系だが、実はそれらとほぼ同等に売れているもう1つの軽がある。
それはダイハツ ムーヴキャンバスなどの“ちょい低”スライドドア付き軽ハイトワゴン。全高1.6m台とN-BOXより絶妙に背が低く、微妙にニッチな軽ファミリーカーだ。
実は今年1月もキャンバスを含むダイハツ ムーブはスーパーハイト系の次に売れ、すっかり一昨年のダイハツ認証不正のネガを振り払っている。
そしてこのムーブ キャンバスのライバルが2021年デビューのスズキ ワゴンR スマイルで、昨年末にマイナーチェンジが施されたので乗ってみた。
より可愛らしい顔つきに
具体的にはフェイスリフトがメインで、簡単に言うとライバル、ムーヴ キャンバスに寄せた顔つきになっている。
キャンバスはこの手のスライドドア付き軽ワゴンの中でも特に可愛さが売りで、ぶっちゃけ60年代のワーゲンバスっぽい。ホワイトを効果的に使った2トーンボディとモノトーンボディがあり、人気の前者はいわゆるクルマっぽいフロントグリルがなく、まさに漫画から飛び出してきたキャラクターのような顔つき。丸目LEDヘッドライトと相まって、いかにも女性や子供にウケそうなデザインだ。
かたや今回乗ったワゴンR スマイルも、ちょっと背が低めなところはキャンバスと似ているが、元々はメッキグリルを装備し、ヘッドライトも真円ではなく楕円の厚切りレンズを使ったりして、クルマっぽいリッチ感で勝負していた。
しかし今回のマイチェンで、微妙にムーヴキャンバスっぽい漫画チックな顔に寄せてきているのだ。
今まではメッキのドット模様を使ってたグリルだが、マイチェンで上半分を樹脂化し、より可愛らしい顔つきに変更。
フロントバンパーの開口部も以前より“おクチ”っぽい切り方になり、真ん中のルーバーもはみ出さないようになった。
細かいところでは、メッキリングが付いてたフロントのフォグランプもバンパーカラー同一に変更。
ボディカラーも新色のトープグレージュメタリックを始め、グレーやグレージュ系が増え、明らかに暖色中心に変化。ついでに言うと、インテリアのカラーパネルも新たに「リフレクショングレー」や「モスブルー」を採用。こちらもファッショナブルなグレー系で、ワゴンR スマイルの特長的な顔はそのままに、絶妙にキャラクター化してきている。
デジタル性能でも仁義なきガチバトルが
さらに侮れないのが先進安全の進化で、今回のマイチェンで電動パーキングブレーキ付きの「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を上級グレードで標準装備。追従オートクルーズがより正確になり、高速道路で完全停止保持もできて、レーンキープまで可能になった。同時にナビも新世代のスズキコネクト対応タイプが付けられるように。
デジタル性能も含め、まさしく軽自動車らしい、仁義なきガチバトルが繰り広げられているのだ。
一方、今回のマイチェンスマイルのパワートレインに変更はなく、相変わらず660ccのマイルドハイブリッド付きノンターボユニット1本で、エンジンパワー&トルクは49ps&58Nm、最良WLTCモード燃費は25.1km/ℓとライバルより良好。
ただ面白いのは、「足周りは変更ナシ」と聞いてたのだが、実は微妙に進化していたこと。フロアに減衰接着剤を塗布して振動を減らし、14インチのタイヤサイズは変えないまでも、タイヤを乗り心地のいい銘柄に変え、最後にダンパー減衰力を最適化。多少荒さがあった乗り心地が確実に滑らかになっているのだ。
心なしかステアリングの切れも増しており、顔のキュート化と同時に走りの上質感も絶妙にアップした。
結局のところ、買う人は新しい顔が「気に入るか?」「気に入らないか?」だと思うが、改良度は想像以上。気になる人はぜひディーラーに行って乗り比べてくださいませ。
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