絶好調「串カツ田中」にも死角あり…初の売上高200億円も“一本足打法”に限界か
コロナ禍の影響で21年度の売上高は50億円を下回ったが、冒頭の通りそれ以降著しく伸びている。23年度には既存店客数と客単価が前年比で120%超となり、24年度末には店舗数が全社で349店舗まで増えた。コロナ禍で宴会離れが進み、大手居酒屋チェーンの閉店が相次ぐ昨今、なぜ以前の水準を上回ったのか。
「ファミリー層や女性客を取り込んだ影響が大きい。店内の禁煙化を進めたほか、自分で焼けるたこ焼きセットやソフトクリームなど、子供受けするメニューをそろえた。以前より男性の一人客が減った分、女性には入りやすい店舗になった」(同)
実際に店舗を訪れると、子連れ客も見かけた。子供が楽しんでいる横で両親が酒を飲んでおり、他の居酒屋ではあまり見かけない光景である。なお、家族連れは売り上げの3割を占める(串カツ田中)。
ただし、成長には陰りを見せている。全国1000店舗体制を目標としているが、今期は7店舗を閉鎖した。「人手不足が背景にあるとみられる。賃上げをしたものの、今期は営業利益が伸び悩んでおり、これ以上の待遇アップは難しいだろう」(前出の関係者)。従来の低コストモデルも限界のようだ。