千房 中井貫二社長(1)“高級お好み焼き店路線”で「コナもん」との差別化戦略に成功
「『マスターいないの? それやったら帰るわ』っていうお客さまが続出して売り上げが激減したそうです。それでもやめなかった。自分が厨房に入ったらその店しかできない、永遠に多店舗展開できないだろうと」
それが功を奏し、順調に店舗を増やしていく。81年には、西武百貨店から声がかかり、お好み焼き屋としては日本で初めて百貨店に出店。同じ年に静岡に出店し、全国展開も果たす。82年には、新業態の「ぷれじでんと千房」をオープン。それは、当時としてはとても革新的だった。
「フルカウンターの鉄板焼き屋でお好み焼きを出すということをやりました。お好み焼きをディナーとして出す。これが、ちょっと気取って行けるお好み焼き屋、あるいはビジネス需要でも使えるお好み焼き屋という千房のイメージをつくったのです」
現在直営、FC合わせて60店舗以上ある千房。そのすべてでメニューや価格が異なり、店舗のオリジナルメニューもある。
「オーナーに任せています。あの店のあれが食べたいというのがありますよね。全部同じだとつまらない」