著者のコラム一覧
森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

ますます巧妙化するフィッシングメール…証券口座乗っ取りはまさにイタチごっこ

公開日: 更新日:

 5月末時点で口座の乗っ取りが確認された証券会社は17社に及び、不正売買の金額は5000億円を超えたとされる。

 投資家への正規のハガキは、こうした口座の乗っ取り、不正売買を防ぐために、現在のパスワードに加え、ワンタイムパスワードを利用できるよう登録を要請する。いわゆる「多要素認証」の導入を意図したものだ。

 だが、証券会社にとって悩ましいのは、犯罪集団に乗っ取られた被害者への補償問題だという。現金が盗まれたわけではなく、「被害額の算定をどう割り出すのか、投資家と証券会社の責任の線引きが難しい」(大手証券幹部)ためだ。

 そもそも、当初、証券会社は投資家への補償には消極的だった。「約款に顧客自身がID・パスワードを入力したか否かにかかわらず、そのID・パスワードを使った取引による顧客被害については責任を負わない」とうたっているためだ。証券取引は投資家の「自己責任の原則」が基本。金融商品取引法にも「損失補填等の禁止」が盛り込まれている。

 しかし、この原則は金融庁の鶴の一声でひっくり返った。金融庁は「今回の事案での補償は金融商品取引法が定める損失補填等の禁止に抵触しない」との見解を示し、積極的な被害救済を促したのだ。

 一部の証券会社は6月中にも具体的な水準を固めたい意向だが、今回は前例のない「異例の措置」(日本証券業協会幹部)のため、各社は最終的な判断に苦慮している。

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