「結果を出すためには工夫も必要だし、やり切る覚悟もいる。そう思うきっかけになりました」
こう書くと悲観主義者に思えるが、基本的には楽天家だ。
中学卒業後の進路に高専を選んだ理由は、「受験を早く終わらせてスノーボードに行きたかった」というもの。合格発表も見ずに長野・白馬のスキー場に直行し、卒業式の前日まで滑り続けた。
「ゴーグル焼けでパンダみたいな顔になって卒業式に出ました」と新谷は当時を振り返って笑う。
自分の行くべき道すらまだ決めかねている一青年が、人生の最初の転機を迎えるのは、高専から大学に編入し、経営学を学び始めてからのことだった。 (つづく)
(ライター・いからしひろき)