著者のコラム一覧
森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

官製ファンド「INCJ」が15年の歴史に幕…志賀俊之会長が会見で語った悔しさ

公開日: 更新日:

 しかし、実態は、「投資先は死屍累々で、勝又幹英社長が“ホームラン案件”と呼んだルネサスエレクトロニクスの株式売却益でどうにか黒字を確保したようなもの」(大手証券幹部)だった。半導体大手ジャパンディスプレイ(JDI)支援に4620億円を投融資したが、回収額は3073億円にとどまった。1390億円を支援した有機ELディスプレー製造のJOLEDは経営破綻した。「民間なら追加投資をしない案件でも、官民ファンドは社会的影響を考え途中で手を引くのは難しかった。JOLEDは私にとって一番重かった案件だった」(志賀氏)と吐露した。

■「カルロス・ゴーン氏から詰め腹を切らされた男」

 志賀さんの人柄にほれ込む財界関係者は多い。志賀氏は和歌山県出身。和歌山県立那賀高校を経て、1976年大阪府立大学経済学部卒業。1976年に日産自動車に入社。最初の配属先は自動車関連ではなく、マリーン事業部だった。その後、アジア大洋州営業部ジャカルタ事務所長・企画室長を歴任。1999年に日産がルノーと提携しCOOとなったカルロス・ゴーンの下、アライアンス推進室長を兼任。現場とのパイプ役として、日産リバイバルプランの立案・実行に力を振るった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    草間リチャード敬太容疑者が逮捕…コンビニバイトと掛け持ちの苦労人だったが横山裕のセレクトに難あり?

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  4. 4

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  5. 5

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  1. 6

    まさかの故障で失意の最中「お前はラッキー」…トシさんの言葉がなければ今の俺はいない

  2. 7

    DeNA次期監督候補に谷繁元信氏が浮上…南場智子オーナーのイチオシ、本人も願ったりかなったり

  3. 8

    米倉涼子の"体調問題"が各界に波紋…空白の1カ月間に一体何が? ドラマ降板情報も

  4. 9

    参政党の党勢拡大に早くも陰り…「聖地」加賀市で“親密”現職市長が惨敗落選の波乱

  5. 10

    公明党が「自民との連立離脱も辞さず」の背景…まさかの“国政撤退”もあり得る深刻事情