成功率は30%どまり…“新規事業の専門家”が指摘する「プロジェクトが失敗する」3つの落とし穴とは?
■打開策は「見つける・試す・学ぶ」を高速で回す
まず、顧客(利用者)の課題を発見したら、最小限の試作品で検証し、得られた結果を踏まえて次の一手を考える。このサイクルを短い周期で回し続ける組織こそが、機会損失を最小限に抑え、チャンスをものにすることができます。詳細な計画を長期間練るよりも、北を指すコンパスを頼りに、一歩ずつ進む探検家のように、実践を通じて方向を確かめ続けているほうが、実は、リスクとコストを抑えられるのです。
成功率三割という現実は、裏を返せば七割に伸びしろが残っているということでもあります。まずは小さな実験から始め、学習スピードを高める仕組みを社内に根づかせることが重要です。壮大なビジョンを掲げるだけではなく、目の前の課題を拾い、すぐにテストして学ぶ。この地に足の着いたサイクルこそが、新規事業を成功へ導く確かな一歩になるでしょう。
▽金杉肇(かなすぎ・はじめ) 起業家・プロジェクトメイカー。スタートアップからドワンゴ社など20社以上の会社の経営に参画。取締役を歴任。サービス・メディア・ゲーム・コンテンツ・広告・音楽・教育など異なる業種で多くの新規事業やプロジェクトをプロデュース。著書に『プロジェクト大全ー独創的な発想が最高の成果を生む』(日本実業出版社)。共著に『マネーと国家と僕らの未来』(堀江貴文・茂木健一郎との共著)
◇ ◇ ◇
無意味な仕事をしていた経験は?●関連記事【こちらも読む】必要のない仕事で忙しい人たち…「偽仕事」はどうして増え続けるのか?…もあわせてご覧ください。