米屋に忍び寄る大量倒産危機…新米高騰で消費者の“コメ離れ”じわり

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 米屋の経営も苦しい。

「我々は地域の飲食店などにもコメを納入しています。取引先に供給し続けるためにも、高くてもコメを仕入れざるを得ない。価格転嫁もなかなか難しい。薄利にならざるを得ず、このままの状況が続けば、経営が立ち行かなくなってしまいます」(同前)

 帝国データバンクによると、昨年度に休廃業・解散した「米屋」は88件。2年連続で増加し、過去5年間では最多を更新した。コメ不足により仕入れ量が確保できなかったほか、米価高騰でも価格転嫁が進まなかったことが影響しているという。こうした問題は現在も見られ、米屋にとって厳しい状況は変わらぬままだ。

 京都府舞鶴市の米屋「まつもと米穀」の松本泰社長は、こう危機感をあらわにする。

「米屋は飲食店のみならず病院などにも納入しており、地域のコメ供給を担っている。生産現場と距離が近く物流コストを抑制できるため、安値の実現や地産地消にもつながる。町の米屋がなくなってしまえば、コメ流通に悪影響が出かねません」

 新米高騰が収まらなければ、コメ安定供給の実現はますます遠ざかる。

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