「いまは何が流行っているのか分からない」昭和世代の戸惑いと3.9兆円の「令和の推し活」市場
また、「距離感」も大きく変わった。昭和のスターはテレビの中の人であり、直接会える機会はほぼない。だからこそ、スターは“憧れ”として輝いた。さらに、「消費の仕方」も変化している。野球中継を見て、レコードを買う。それが主な関わり方だった。
しかし現代の推し活は、SNSで日常を知り、イベントで直接会える。コメントすれば反応が返ってくることもある。単に見るのではなく、関わることで熱量が生まれる。
神戸女学院大学の藤岡達磨氏によると、「押し活」はマーケットに付随した現象で、使った金額で「推し」にいかに愛情をもっているかを表現し、アピールする構造になっているという。
そのため、推し活では、応援そのものが経済行動になる。グッズ購入、投げ銭、イベント参加、SNSでの拡散といったファンの行動が、そのまま価値を押し上げる。
2025年4月に株式会社ネオマーケティングが全国の15歳から69歳を対象にして行われた調査によると、何と約3人に1人が「推しがいる」と回答し、約7割が「推しにお金を使っている」と回答した。推定国内推し活市場は約3.9兆円にものぼる。この変化は、中高年にとって決して無縁ではない。むしろ、昭和の熱狂を知る世代だからこそ、その違いは鮮明に映る。


















