ますます強まる中小企業への価格転嫁圧力…「できる企業」と「できない企業」の二極化が浮き彫り
「中企庁調査はBtoC取引が中心の業種(旅館、外食、ホテルなど)を除いています。うちは調査対象の中小企業のうち30%が小・零細企業です。消費者に近く価格転嫁しにくい企業が多いことが中企庁との差です」
価格転嫁は広く行われていても、コストの上昇を十分に反映できている企業が増えるかは別だ。企業規模が小さくなるほど価格転嫁率は低下し、また取引先との力関係で価格決定力の差が価格転嫁率の格差を反映する。
価格転嫁は小幅な値上げや一部費目だけに限られ、転嫁できない企業との二極分化状態の実態が浮き彫りになっているといえる。
中小企業の倒産が増えているが、価格転嫁は今後の春闘交渉にも大きく影響するというのは、第一ライフ資産運用経済研究所の星野卓也主席エコノミストだ。
「春闘で人件費が恒常的に上昇するなかで中小企業に人件費の負担は重い。人手不足でも価格転嫁ができず、競争力のない中小・零細企業は賃上げ圧力でますます厳しい状況に追い込まれるのではないでしょうか」
今年1月、適正な価格転嫁を促す「改正下請け法(中小受託取引適正化法=通称:取適法)」が施行された。中小企業の価格転嫁の定着と賃上げへの波及効果の役割が期待されている。
(木野活明/ジャーナリスト)



















